自分の睡眠に適した環境づくり
厚生労働省の健康づくりのための睡眠指針 2014~睡眠 12 箇条~によると、寝室の温度、湿度、騒音、光、寝具、寝衣などの環境は睡眠の質と関係するとのことです。そのため一般的に寝室・寝床内では、静かで、暗く、温度や湿度が季節に応じて適切に保たれることが大切と言われています。温度や気圧の変動が激しいこの季節、改めて快適な睡眠のための基本条件を確認してみましょう。
- 温度
-
布団の内部、パジャマの内側が33度前後が最も睡眠の質が保ちやすい。室温は季節によりますが13~29℃の範囲で、病床においてはできれば20~25℃が理想とされています。入眠中扇風機の風に当たり続ける場合、皮膚周辺の気温が下がることで中途覚醒など睡眠の質が低下する可能性があります。逆に湯たんぽや電気毛布の使用、冬用毛布の使用で寝衣内の気温が上がりすぎることもノンレム睡眠の減少につながります。寝具、寝衣は清潔で季節にあった素材のものを使用することで浅眠や中途覚醒、早朝覚醒を防ぎましょう。
- 湿度
-
度もまた高いと睡眠の質が低下しやすいと言われています。30~60%が快適な湿度と一般的に言われます。病院での標準的湿度は45%だそうです。湿度が高くなることで室温の体感温度が上がり、汗が乾燥しなかったりして寝苦しくなるほか皮膚トラブルの原因にもなります。逆に乾燥しすぎた場合、咽頭の乾燥による違和感、呼吸器感染症につながります。布団はこまめに日に当てるなどで乾燥させ、エアコンや加湿器などで室内湿度を調整し、心地よく入眠しましょう。
- 夜間の騒音
-
45~55デシベル程度でも不眠や夜間覚醒の原因になります。耳栓や防音カーテンなど防音に気を配る一方で、無音の場合が逆に些細な音が気になり、不安や緊張が高まる可能性があるそうです。静かな寝室でかえって車のエンジン音や近隣の生活音が気になる場合は、小さい音で音楽をかけるなど自分が落ち着く環境を見つけましょう。
- 明るさ
-
間では一般的な室内天井照明程度の数百ルクスの明るさでも覚醒方向の作用が生じるそうです。目からの光情報が脳内時計や自律神経の中枢に伝達され、交感神経活動を高め覚醒度を上昇させると言われています。そのため就寝前はLEDの青白い光は体内時計を遅らせる可能性があります。PC、スマートフォンの液晶の光を見ることで入眠がしにくくなります。そのため入眠2時間前に暖色系の照明を暗めに設定することで眠気を起こすことが期待されます。ただ人によっては真っ暗な空間よりも少し明るい方が眠れると感じる場合もあります。また、今の時期明るくなる時間が早いため、覚醒してしまうこともあります。中途覚醒が無いか、朝起きた時にスッキリした感じがあるか、日中に眠くなるか、活動に集中できているかなど一日を振り返って遮光カーテンや間接照明などを用いて自分にあった明るさを把握しましょう。
不眠は心身に原因がある場合と環境によるものが複合的に組み合わさります。ひとつひとつを改善することが快適な睡眠につながります。基本的なことではありますが自分にできることを実行し、成功体験を積むことは行動変容の重要なポイントです。昨日より気持ちよく眠れたという感覚を大切にして新しい行動につなげていきましょう。
コメント