
恐竜の復活は夢じゃない!?
「ティラノサウルスが歩く未来はやって来るのか?」
子どものころに一度は夢見た“恐竜の復活”。それがいよいよ、現実味を帯びてきたかもしれません。
かつてはSFの世界だけの話だった古代生物の“復活”が、最先端の科学技術によって少しずつ形になりつつあるのです。
現実に起きている「絶滅種の復活」
◆ ダイアウルフの復元実験が成功
1万年以上前に絶滅したとされる「ダイアウルフ」。北米に生息していた巨大なオオカミの仲間で、強力な顎と筋肉質な体を持つ最強クラスの捕食者でした。
最近の研究では、化石から取り出したDNAを解析し、現存する近縁種との掛け合わせにより、遺伝子的に非常に近い“復元個体”が誕生しています。
これにより、「絶滅種の遺伝子を現代に呼び戻す」ことが現実の技術となったのです。
◆ マンモスの遺伝子を持つネズミが誕生
さらに驚くべきは、ネズミにマンモスの遺伝子を組み込んだ実験の成功です。
マンモスは氷河期の終わりとともに姿を消した大型のゾウですが、そのDNAの一部を抽出し、近縁種であるアジアゾウや実験動物のゲノムに挿入することで、寒冷地適応や被毛の生成など、マンモス由来の特性を持つ個体が生まれています。
これは“フルサイズのマンモス”復活に向けたステップのひとつであり、「機能的遺伝子の移植」が可能であることを証明しています。
では、恐竜は復活できるのか?
ここで気になるのが「恐竜も同じ方法で復活できるのか?」という問いです。
現時点で最大のハードルは、恐竜のDNAがほぼ完全に失われているという点。化石からDNAを抽出するのは非常に難しく、完全な遺伝情報を手に入れるのは困難です。
しかし──
最新の研究では、「鳥類が恐竜の子孫である」という進化の証拠が明らかになっており、鳥のDNAを“逆進化”させることで恐竜のような姿に近づける試みが進行中です。
夢と現実の狭間で:復活の意義とは?
恐竜の復活にはまだ多くの技術的・倫理的な壁がありますが、「絶滅動物を現代に呼び戻す技術」は確実に前進しています。
私たち人類がこの技術をどう使い、どんな責任を持つかその議論こそが、これからの時代に求められているのかもしれません。イラスト:下田)
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