項目
- ヘルプマーク
- わかりあうために必要なこと
- わたしたち「居場所」ができること
- あなたも「気づく人」になれる
- おわりに
ヘルプマーク
街を歩いていると、ときおり赤いマークがついたキーホルダーを目にします。
白い十字とハートの描かれたこのマーク、「ヘルプマーク」といいます。
外見からは分かりづらい障害や病気を抱えた方々が、周囲にそっと伝えるための大切なサインです。
2012年に東京都が考案し、現在では全国に広がっているこのマーク。
対象となるのは以下のような方々です。
- 義足や人工関節などの身体的配慮が必要な方
- 心臓病や腎臓病など、外見からは見えない内部障害を持つ方
- 発達障害や精神疾患など、特定の場面で支援が必要な方
- 妊娠初期の方も使用することがあります
このマークは、「席を譲ってほしい」「非常時に手助けしてほしい」といった声なき要望を、社会に示す手段です。
わかりあうために必要なこと
ヘルプマークが必要とされる背景には、外見からは困っているようには見えない方が誤解されたり、孤立してしまう現状があります。
例えば、混んだ電車で座っている人に、
元気そうなのにのんびりと座ってるなあ
とほかの乗客の無理解な視線が向けられることがあったとします。
でも、もしかしたら座っている人は、手術の後で立っていることがつらい人なのかもしれません。
あるいは見た目ではわからない障害や病気を抱えている人なのかもしれません。
見えない困難を、周りが気づけないことで、本人がつらい思いをしたり、誤解されたりすることがあるのです。
そのような困っていることを声を出して伝えづらい時に、自分の状態をそっと伝えるための手段として、ヘルプマークはとても大切な役割を果たします。
一人ひとりが「見えない困りごと」があることを想像し、思いやりを持って接すること。
それが、わかりあえる社会への第一歩なのではないでしょうか。
わたしたち「居場所」ができること
グループホームで暮らす方々の中には、外見からではわからない困難や特性を抱えている方もいらっしゃいます。
私たちは、こうした多様なニーズに応じた支援を提供するため、スタッフ全員が個々の状況を理解し、柔軟に対応できるよう努めており、またスタッフ間で定期的に情報共有を行い、一人ひとりの状況に合わせた最適なサポートを心がけています。
こうした取り組みを通じて、利用者さんが自分らしく、そして快適に過ごしていけるように支援を続けていきます。
あなたも「気づく人」になれる
ヘルプマークを見たらどうしたらいいの?
大丈夫です!難しいことはなにもありません!!
少し気にかける
辛そうだったら声をかけてあげる
これだけで大丈夫です。
大切なのは、「配慮が必要な人がいるかもしれない」という想像力を持つこと。
おわりに
すべてのひとが安心して暮らせる社会の実現を目指して、これからも福祉の現場からの気づきや学びを発信していきたいと思います。
ヘルプマークを知り、見えない困難への理解が社会全体に広がることを願っています。
文/構成 工藤
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