項目
- 算数と数学、何が違う?
- それぞれの”つまづき”に意味がある
- できた経験を積ませる
- 終わりに
私たちが支援している利用者の方々は、日常生活の中で「計算」や「数字」の取り扱いが必要な場面が多くあります。 例えば買い物の際のお金の計算や、家計の管理、通院時の時間の確認など、数字に関わることは避けて通れません。
今回は算数と数学の違いに注目し、支援のヒントを探っていきたいと考えています。
◇算数と数学、何が違う?
算数と数学の一番大きな違いは抽象度です。
算数は実用的な計算を用いて、正確な答えを導き出すのに対して、
数学は記号や数字を用いて、答えに至る過程を論理的に導き出すのが目的です。
算数に対して、数学は「なぜ、そうなるのか?」と自分の頭で考えて答えを導き出すのが特徴です。
◇それぞれの“つまずき”に意味がある
算数はできたが、中学からの数学でつまづいたという人も、いらっしゃるかと思います。
(私はもともと算数も数学も大嫌いでしたが(笑)※ちなみにセンター試験の数学赤点とるくらいには苦手です。)
話を戻しますが、グループホームの利用者さんのそれぞれに背景があります。
こうした一人ひとりの特性の理解に努めることで、それが「ただの苦手」ではなく、「どこで・どうしてつまずいているのか?」に気づけるようになります。
私は数学が大の苦手ですが、だからといって論理的思考力がないわけではありません。
つまづいたからといって、それ全部が駄目ってことは絶対にないと私は信じています!!!
◇できた経験を積ませる
弊社は放課後デイケアサービスの事業も行っております。
学校での座学のようなものとは異なりますが、個別支援プログラムに基づき、タイピングや宿題支援、英語すごろく、トランプなど様々な支援計画を立てて実行しています。
ルールがわからないとできないことについては、初めからやり方などを指導しますが、できた経験を作ることが大事ですので、宿題などについてはヒントなどをだすことで、自分自身で正解にたどりつくような支援を行っています。
つまずいているところを見抜き、ヒントをあげることで、本人にできた経験を積ませることができます。
このように「できた」「わかった」経験を積ませることが重要であると考えています。
◇おわりに
「計算ができる=数学が得意」ではない。
「苦手な問題がある=できない人」でもない。
私たち支援者が、こうした“ちがい”や“得意・不得意の理由”を理解することで、利用者さんはもっと安心して「できること」に取り組めるようになります。
その人の「わからない」には、理由があります。
だからこそ、私たちは「わからないことが恥ずかしくない」環境を作ることを大切にしたいと思っています。
利用者さんの“得意”に寄り添い、“苦手”に焦らず向き合う。
そんなグループホームを作っていきます。
文/構成 工藤
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