今朝、今年も海苔が不作で取引価格が高くなっているというニュースを見ました。
近年、日本各地で海苔の生産量が減少し、「記録的不作」とも言われる状況が続いています。海苔は私たちの食卓に欠かせない食材ですが、なぜこのような不作が起こっているのでしょうか?海苔の不作の原因について書いていきたいと思います。

海水温の上昇
海苔の生育には適した水温が必要ですが、地球温暖化の影響で海水温が上昇し、海苔の生育環境が悪化しています。特に冬場に適度な低水温が必要な海苔にとって、海水温が高いと発芽や成長が遅れ、品質の低下や収穫量の減少につながります。
栄養塩の減少
海苔が成長するためには、海水中に含まれる窒素やリンといった栄養塩が欠かせません。しかし、近年は沿岸部の水質浄化が進み、河川から海へ流れ込む栄養塩の量が減少しています。その結果、海苔の生育が妨げられ、不作の原因となっています。
異常気象による影響
異常気象も海苔の不作に大きな影響を与えています。例えば、台風や大雨によって海の環境が急激に変化すると、海苔の養殖に適した条件が崩れてしまいます。また、強風や高波による被害で養殖設備が破損することもあります。
赤潮の発生
海水温の上昇や栄養バランスの変化により、赤潮が発生しやすくなっています。赤潮はプランクトンが異常繁殖する現象で、これによって海苔の生育が阻害されるだけでなく、品質の低下や大量死につながることもあります。
人手不足と生産コストの上昇
海苔養殖業界では高齢化が進み、人手不足が深刻化しています。また、燃料費や資材費の高騰により、海苔の生産コストが上昇していることも課題です。これらの影響で生産者の負担が増え、収穫量の確保が難しくなっています。
まとめ
海苔の不作は、温暖化による海水温の上昇、栄養塩の減少、異常気象、赤潮の発生、人手不足やコストの上昇など、さまざまな要因が複合的に影響して発生しています。今後も海苔の生産環境を守るためには、温暖化対策や水質管理、持続可能な養殖方法の確立などが求められています。
私たちも、海苔を大切に食べ、持続可能な水産業を支援する意識を持つことが大切ですね。
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