はじめに
最近よく耳にすることのあるSST(ソーシャルスキルトレーニング)。
精神科や心療内科だけでなく、企業などでも取り入れられている場面を見かけます。
ではこのSSTとはいったいどういうものなのでしょうか。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは
SST(ソーシャルスキルトレーニング)は、社会の中で人と人が関りを持ち生きていくために欠かせないスキルを身に付けるための訓練のことを指します。
大人・子どもそれぞれに適した訓練法があり、精神疾患のあるなしに関わらず、病院を中心に広く取り入れられています。
ソーシャルスキルとは
ソーシャルスキルは、社会(ソーシャル)の中で暮らしていくために必要なスキルのことです。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)では、社会の中で人と関わる際に生じる挨拶、他者と関わるときのコミュニケーションなどを訓練するほか、日常生活を営む上での生活スキルも取り上げられることがあります。
ソーシャルスキルは社会で求められる機会が多くありますが、すべての人が高いソーシャルスキルを持ち合わせているわけではありません。
ソーシャルスキルをどの程度習得できているかは、家庭や学校といった生まれ育った環境が影響しますが、本人自身が本来持っている個性による個人差も大きく影響します。
ソーシャルスキルが身についていないから親のしつけ不足などというわけではありませんし、大人になってからでも身に付けることができるものです。
ソーシャルスキルトレーニングでは何をするのか
ソーシャルスキルをトレーニングすることで、社会生活の中で『できること』を増やし、より生活しやすくなることを目的としています。
人と関わるためのスキルを身に付けることや、日常生活に必要なスキルを身に付けるなど、幅広いテーマの中から生活のために最低限必要なこと、自分が今困っていることを中心にスキルの獲得・向上を目指します。
トレーニングの中心になるのはロールプレイです。
自分一人で考えるのではなく、グループワーク形式で参加メンバーで意見を出し合いながら進めていくことが多いのも特徴の一つです。
SSTはどういったことに役立つのか
SSTは簡単に説明すると『社会生活を営む上での自分自身の困りごと』を解決するための訓練です。
困りごとは人それぞれ違っていますから、対処法ももちろん違ってきます。
SSTでは一人ひとり違う自分なりの困りごとへの対処法を見つけていくことになります。
また、グループワーク形式で参加者から意見を聞いたりすることで、新たな対処法を見つけられる場合もあります。
SSTに参加することで、実際に困りごとに遭遇した際に、どう対処すればいいのかを身に付けることができます。
おわりに
コロナ禍で他者との交流が減り、そしてまた他者と交流する機会が増えてきている今だからこそ、SSTは役に立つのではないでしょうか。
人との交流が減ったために、コミュニケーションをどう取っていいかわからなくなっている人も少なくないと思います。
かくいう私も、以前はSSTに参加していて、スキルを身に付けてきました。
もし身近にSSTを取り入れている場所があれば、参加してみてはいかがでしょうか。
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